歯科医師数が初の減少へ。 |
投稿:院長 |
2024年3月の統計によると、1954年の統計開始以来、初めて歯科医師数が減少に転じたとのことです。歯科医院の開業数は徐々に減少する一方で、閉院数は微増しています。これは団塊世代のリタイアが始まったことも一因と考えられます。 長年、歯科医師の過剰が指摘されてきたため、国公立大学の定員は真っ先に削減されてきました。今年の10月に東京工業大学と合併して東京科学大学となった我が母校も例外ではなく、歯学部の定員は私の学生時代の80人から、現在では半数以下にまで減っています。 歯科医師国家試験は年々難化して、合格者を2,000人ほどに絞っているため合格率は約65%まで低下しました。毎年1,000人くらいが不合格です。90%以上が合格する医師国家試験と状況が全く違いますね。もはや資格試験でなく選抜試験と化していて、たしか入学から国試合格まで一度も留年しないで歯科医になれる学生って、4分の1程度しかいないんじゃなかったかな。とにかく出口が非常に狭くなっていて、学生と親御さんが気の毒です。 他方、歯科医師数の減少と人口減少は、地域によって歯科治療の需要に差を生じさせる可能性があると思います。特に地方では人口減少が加速して歯科医療へのアクセスが難しくなる地域も出てくるかもしれません。また、歯科医師が減ることで一人当たりの負担が増して治療の質を担保するのが難しくなることも考えられます。 人口動態はある程度予測できたはずななんだし、長期視野に立った歯学部学生数のコントロールだって可能だったと思いますが、色々と事情があるのでしょうか。 |
2024年11月13日(水) |
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